金鶴の蔵人 佐々木さんからの米作り便り

新潟県佐渡市にある「金鶴」の加藤酒造店の蔵人、佐々木邦基さんから定期的にお米作りのお便りが届きます。米作りの流れや状況、佐々木さんの思いが綴られた内容になっており、ぜひそれを皆様にご紹介したいと考え、このページにまとめました。これからも更新していきますので、是非ご覧になってください。

3月31日『塩水選』


「蔵仕事が終わり今日から本格的に農家仕事の始まりです。毎年米作りの最初の仕事は塩水に種籾を入れて実りの悪い粒を浮かせて取り除く塩水選です。それらの粒は病気の菌を持っている事が多いためそれを取り除く目的もあります。沈んだ種は真水にうつして10日ほど水につけて種まきへと向かいます。水分と水温で眠っていた種籾にスイッチを入れるのです。同時に私自身の農家スイッチもこの作業によって入ります。体は蔵仕事の疲れでスイッチに抵抗してますが。心身ともにエンジンがかかるのはもう少し先でしょうか。」

4月6日『山の福寿草』

 

「時期は年によって少し変わっても毎年同じ場所に変わりなく咲く花を愛でるのは日本人の習性でしょうか。」

 

4月20日『シロクロをつける』


「昨日畦塗りをしました。昔からの言いかたで、畦をクロと言い、畦塗りをクロ塗りと言ったりします。一方、たんぼの方をシロと言う言いかたもあったらしく確かに苗を植える前の耕運を代かき(しろかき)と言います。白黒をつけるという言いかたも田んぼの畦と植える部分を作ってはっきりさせるというところからきているという説があります。」


4月22日『早苗』


「やっと暖かい陽射しがでてきました。苗も3~4㎝になりました。畦塗りも終わっていよいよたんぼの耕運に出ていきます。畦塗りは畦の所だけ耕して塗り固める機械がありそれでやっています。昔はみなクワを使っての手仕事でした。佐渡にはまだ所々に左官仕事のような畦塗り名人がおります。」

4月27日『畦塗り機とトラクター』


「佐渡は相変わらず風が強いですが晴天が続いています。畦塗り後のたんぼに水を入れ、一回目の耕運を始めました。コシヒカリはこの後、連休の終わりに二回目の耕運(代かき)五月八日頃に田植えの予定です。蔵仕事で青白かった顔がようやく色づいてきました。」

 

5月16日『順調です』

 

「田植えから一週間たちました。毎年恒例の暴風もありましたが今年はうまくかわす事ができました。暴風は西風の事が多いため、たんぼの向きが影響を受けにくい所にしてありました。暴風までに順調に生育し、しっかり根づいていたので思いきって水を深くはってました。風の影響を水のなかで回避するのです。うまくまわっている時は良い方にいきます。けれど最後まで何事もなくいける事はまずないので対応する構えでいなくてはと思います。順調なものほどドカンと一発あったりします。」

6月15日『落水時期』

 

「水不足を何とかしのぎつつ順調に生育しています。もう少し生育が進むと水を一度落として、干す時期に入ります。赤トンボのヤゴや変態前のオタマもいるのでもう少し待ってあげたいです。その点においても有機肥料栽培はゆっくり育つので生きもののリズムに親和的です。回りは生育が早いので既に落水してます。時期が遅れると生育過剰になってしまうためです。もちろん我が家も最後は稲の都合で判断しますが。」

7月9日『実りの季節になりました』


「コシヒカリの稲が実りの季節になりました。実りの季節と言うと穂が出て秋の収穫に向けてのイメージがありますが、稲の生育のステージとしては、今頃がちょうど茎の中の地面近くに一ミリ弱の小さな穂が出来て子供を育てる段階の始まりです。これから一月かけて茎の中で幼穂(ようすい)と呼ばれる穂の赤ちゃんを20㎝以上に育てて穂を太陽のもとに出します。梅雨空は続いてますが、たんぼもオタマの変態やトンボの羽化が終わりに向かい、蜘蛛が増え始め夏の気配が漂い始めています。」


7月21日『出穂二十日前』


「コシヒカリの穂が五ミリ大になりました。茎の中にある穂の大きさを確認して、米粒を太らせるための仕上げの肥料のタイミングをはかります。今日の様子から穂が出るのは、八月十日頃と予測できます。生育量も充分、栄養状態も少し足りないくらいの良い加減です。高温、水不足、台風、イナゴなど不安要素もイロイロありますが、なすべき事を積み重ねることにかわりはありません。」


8月8日『穂が出始めました』


「暑い日々が続く中、コシヒカリの穂が出始めました。これから十日すぎにかけて全部の穂が出揃います。昨夜は始めて、家の外で秋の虫の音が聞こえました。季節は盛りの中の片隅で、うつろい始めるようです。」


8月28日『コシヒカリ』

 

「本日は青空です。順調に実りの日々をすごしています。夜の虫の声もオーケストラになり、いよいよ秋です。稲刈りまであとひと月をきりました。」

新川屋田島酒店

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